花を飾る 日常をホンノリと彩る…

花のお話 その16「華道 家元制度」



トピック イメージ 花 私事で恐縮ですけど、華道を習ってみようと思ったのは、別に誰に勧められた訳でもなく、シンプルに「花」「着物」という伝統的な世界が美しいと思ったからです。特に、その道を「極めてみよう」などという考えは持っていませんでした。社会人になって、会社への通勤途上にあった華道教室に通う事にした時も、何流だからといったことも意識はしませんでした。教室に通いだしてからも殊更「特別な事を始めた」という意識もなく、先生が教えてくださる事に従って自由に花を活けて「楽しんでいた」という感じです。私の通っていた教室の流派は比較的、活け方に関する制約も少なく、色々と自分で考えながら「あーでもない、こーでもない」と良い意味で勝手に活けていました。余談ですけど、先生から私は「枝を切りすぎる」と注意されました。その癖は未だに残っています…。

結果的に、途中で辞める事もなく、免状を頂く所までやりましたけど、それで「華道の世界」に、という考えは全くありませんでした。正直な話、生徒の立場で楽しんでいた「花」も「華道」の世界の看板に拠ってやろうとすれば、けっこう、なにやかやと気を使わざるを得ない「家元制度」の世界に入って行くことになります。私にとって「花」はそこまでのものではなく、ただ「楽しければそれでいい」ものでしたから。免状を頂いたからそれで「お花の先生」とはいきません。例えば教室を開くとなれば、「経営」の世界に入ります。まず教室が必要となり、生徒さんを集め、その流派の会合に参加して、家元制度という組織の一員となります。私としては、そこはちょっと…、という気持ちでした。

念のためにお断りしておきますが、「華道」なるものの「家元制度」に対して特にネガティブな気持ちを持っている訳では決してありません。たまに、「家元制度」と「マルチ商法」を似たようなもののように語られているのを目にしたり耳にしたりすることがありますけど、全く違います。確かに組織体は似ていますが、これは組織である以上、皆同じ事です。マルチ商法の最大の問題点は「何某かの商品」があって、それを組織内で「自己取引」する事です。実際のお客さんに売るのではなく、組織の下へ下へと。要するに、マーケットを外に開拓するのではなく、内へ内へとそれを広げていくだけで、最後には拡大の限界を物理的に迎えて、商品が不良在庫となり、破綻するビジネスです。家元制度の商品は「知識と技術と作法」です。これには在庫というものはありません。ですから、在庫を抱えさせるマルチ商法とは全く違うシステムです。

華道自体の起源は、聖徳太子所縁の六角堂にある池の近くにあった僧侶の住まいを「池坊」といい、その僧侶たちの供花から、というのが一般的でしょう。花を供える・飾る事は当時から比較的広く生活に浸透していたと思われます。室町時代の武士たちも花器に「投げ込み」で花を楽しんでいたようです。背景として「書院造り」という住宅様式が生まれた事は大きな要因でしょう。花を飾る「床の間」が定着します。そして、それが華道として「家元制度」となるのは富裕な町民層が多数現れる江戸時代中期ころのようです。「家元制度」となる要因には当時の「朱子学的教養」が大きな役割を果たしたのでしょう。制度の「家元の正当性」「世襲支配構造」が師弟制度として確立します。分かりやすく言えば、「花」に求心的な権威が成立して「華道」となり、今日に至っているということです。

「活け花」という「伝統芸能」がこの家元制度によって保たれているのは事実です。ただ、これは反論・批判の類ではないのですが、その中にズッといるとすれば、流派ごとの「誠に気遣いの多い」世界に入るということになります。まあ、それは個人の自由です。「華道」と「花を飾って楽しむ」の違いは、「作品性」にあると考えています。もし機会があれば、「活け花の展示会」を覗いて見てください。確かに、熟練した方々の生け花の「造形美」には溜息が出ます。才能がものをいい始める世界です。私は、そこまで行かずとも「花を飾って」楽しんでいるだけですから。たまに上手く飾れるとひとり眺めて喜んでいます。


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