花を飾る 日常をホンノリと彩る…

花のお話 その28「平将門伝説 桔梗」



トピック イメージ 花 伝説、伝奇、伝承の類はひとつのモチーフであっても様々な土地で色々に形を変えて伝えられるものです。どれが本当なんて、考えるのも無粋でしょう。ただ、その伝説のコアになっているものは何なんだろうと考える事は、まさに想像の楽しさです。花にまつわる伝説は枚挙に暇はありません。特にギリシャ神話。それに比べると日本神話には花に関するものが少ないのかな、と思います。パッと思いつくのはサクラの語源と言われる木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ:ヒメ)、でしょうか。

それはさて置き、自分が住んでいる地域の、花に関わる伝説を調べていると、歴史のスーパースター、平将門にちなむ花の伝説がありました。この話、地域によっては色々なバリエーションがあるのですが、そのコアとなっているのは、平将門の侍女に「桔梗」という名の美しい姫がいて、将門はその娘を寵愛していたという事です。そして、朝廷からの討伐命令を受けた藤原秀郷との合戦で敗れた将門が城峯山(秩父地方)の洞穴に身を隠していたところ、桔梗姫がそれを敵方に密告したのです。それまで不審な敗北を続けていた将門は、桔梗姫をスパイであるとして激怒し、一刀のもとに彼女の首をはね、自らも自刃して果てたそうです。

別の話では、将門が自分に似せた人形を大量に作らせて敵の目を欺こうとした時、桔梗姫が敵方に「息をしているのが将門」と教え、戦に敗れてしまったとか。一説には、桔梗姫は藤原秀郷の妹であったとか。それなら、スパイ説も濃厚になりますが、また別の一説では、桔梗姫は将門の最期を知って、入水し、自らの命を絶った、というものもあります。桔梗姫は藤原秀郷に騙され、結局、口封じのために秀郷に斬られたという話もあります。

いずれにせよ、その桔梗姫が無くなった場所(山)では「桔梗を植えてはいけない」「桔梗が咲かない」と言われています。実際に、桔梗を植えても枯れてしまう土地もあるそうです。地質の問題でしょうか。

千葉の市川では、将門の祟りを怖れて、桔梗を植えないという話が今でも残っているそうです。他の地域にも、生活用具に桔梗の模様を使わないという風習があったそうです。しかし、素朴な疑問なのですけど、何故「桔梗」なのでしょうか。桔梗紋は一般に土岐源氏の流れを汲む一族が使用している紋のようですが、それがアンチ平将門に関係があるのか? そこはよく分かりませんが、桔梗は安倍晴明が五芒星として好んで使ったようで、「晴明桔梗印」とも呼ばれているそうですから、なにやら、神秘的なものを桔梗に感じます。

これは余談ですが、平将門は朝廷からは逆賊とされていますが、関東では「将門さま」と、信仰の対象にさえなっています。それで、朝廷からの命により成田山新勝寺の僧が将門調伏の不動護摩を行ったという事で、今でも「成田山新勝寺には参らない」という家が関東に多く残っているそうです。将門が主人公であった大河ドラマの「風と雲と虹と」の出演者も、恒例であった成田山新勝寺の豆まきへの参加を辞退したとか。

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