花を飾る 日常をホンノリと彩る…

花のお話 その48「花を咲かせない 光合成をしない 花の生き方」



トピック イメージ 花 WEBで調べ物をしていたら、大変に興味深い記事に出会いました。「咲かない花をつける新種のラン科植物」が発見されたそうです。発見されたのは神戸大学大学院理学研究科の末次健司特命講師。この方は生態学がご専門だそうです。しかし蕾のままの「咲かない花をつける」ということは「花を咲かせない花」ということになります。なぜ、花なのに花を咲かせないのか…。この新種のラン科植物は「クロシマヤツシロラン」と命名されたそうです。「クロシマ」というのは地名で、鹿児島県三島村の黒島で発見したことに由来するようです。その花をご覧になりたい方は、この花の名前をWEB検索欄に入れてみてください。いくつかの記事がヒットします。

先に述べた「花を咲かせない花」であるのはなぜか?、という理由ですが、その前にまず、この花が「菌従属栄養植物」であるということに少々驚いてしまいます。この言葉を目にするのは初めてなのですが、要は「植物としての最たる特徴である『光合成』をしないで、菌類に寄生して栄養を搾取する」植物であるそうです。「搾取」という表現がある通り、これは「共生」ではなく、一方的に菌類から栄養を摂っているということです。菌従属栄養植物が光合成をしないのは、その育成環境が「日光の届かない暗い林の底」にあるからだそうで、またその環境では、花粉を運ぶ昆虫がいないため、自家受粉を始め、その結果として「花を咲かせることをやめた」との可能性が指摘されています。

花自らが、生きるために「花を咲かせることをやめ、光合成という力も放棄した」ということでしょうか。発見された末次特命講師の言葉にその答えがあるように思いますので、引用させていただきます。
「チョウやハチを呼ぼうと奇麗な花を咲かせるにはエネルギーが要り、無駄な投資はしないのだろう。植物が光合成をやめるという究極の選択をした過程で起きた変化を明らかにしていきたい」。
誠に興味深いことです。確かに花はチョウやハチなどの、受粉を媒介してくれる昆虫を惹きつけるためにあの手この手でその身を美しく飾ります。それは、人の目にも美しいものとして映ります。しかし、そのためには相当のエネルギーを費やす必要があり、まさに「花は命がけで必死に美しく咲いている」ということでしょう。

人間もそうであるように思います。もちろん、命をつないでいく生物はみな必死なのでしょうが、人が男も女も着飾るのは、やはり自然の中の一生物であるからでしょう。しかし、その中で、自ら「一人」で生きる選択をした人がいたとしたら…。着飾りもせず、表にも出ず、自然の恵みを必要最低限受けながら生きていく…。そんな人がいるのかもしれません。古代ギリシャの「樽の賢人」ディオゲネスを思わず思い浮かべましたが、彼は盛んに自分をアピールしていましたから、違いますね。では、方丈記の鴨長明…。うーん、これもちょっと違うような…。

この菌従属栄養植物は、地上に姿を現す期間が非常に短いため、なかなか見つからないそうです。今現在、約50種程度がその存在を確認されているようです。かなりの少数派ですね。となればやはり「花なのに花を咲かせず、必要以上のものは求めず、人の目にも触れず生きていく」という方がいらしたとしても、相当の少数で、まず現れることもなく、お会いする機会もないのでしょうね。何が言いたいのか? ここまでストイックな「花」がいるとは…、と、少々驚いているのです。それで、そんな「人」がいたとしたら、と、想像してみた次第で…。

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