花を飾る 日常をホンノリと彩る…

花のお話 その65「美しい花が毒を持つ不思議 何故…?」



花のお話 自然界には様々な「毒」があります。動物にも、植物にも、鉱物にも。そして、人間が化学的に作り出す毒などもあります。かつての事件で有名になったサリンなどがそうです。他にも青酸カリウムなどが比較的ポピュラーな人工の毒であると思いますけど、その毒性はフグが持つ自然の毒、テトロドトキシンの約1000分の1の毒性しか無いそうです。人工の毒物よりも自然界由来のものの方が遥かに強力であるようです。

いきなり艶のない話で興醒めですが、本題はタイトルにあります通り「美しい花に何故毒が…」という疑問です。話が逸れますが、フグの毒は有名ですけど、何故フグに毒があるのかという事を考えると不思議です。針や歯といった攻撃できる形態の中に毒があるのであれば、それは自らを守るための強力な武器ということで理解できるのですが、フグの毒は食べられないと効果を発揮しません。それでは全く「身を守る」という事には役に立たないではありませんか。食べられてしまうのですから。最近、どこかの水族館で起きたニュースを見ました。サカタザメという見た目はサメですがエイの仲間が、餌を食べる時、何かの拍子にフグを飲み込んでしまい、危うく死にかけたとか…。エイは何とか助かったようですが、フグは消化された状態であったとか…。

この疑問は比較的最近に解けました。兄弟サイトの「テキトー雑学堂」の「科学・テクノロジー その1」に書いてありますが、フグは身の危険を感じるとその周辺に毒を放出するようです。フグを襲おうとした捕食者はその毒に気が付いて退散します。ちなみに、フグの毒は自分の体内で生成されるのではなく、同じ海にいる貝などが持っている毒を自分の体内に貯めるそうです。海の生物は自分の毒を辺りに放出して相手に「私は食べると危ない」ということを、知らせるようです。

では、植物はどうなのでしょう。観賞用の美しい花でも毒を持つものはあります。アジサイやスイセン、ヒガンバナ、スズラン、アセビ、キョウチクトウ、アサガオの仲間、スミレやツツジの仲間にも毒を持つものがあるようです。トリカブトなどを鑑賞するような方はいないでしょうけど、自然界にはキノコなど、致命的な猛毒を持つものがあります。で、それらは海のフグなどのように毒を辺りに放出して、自分を守っているのでしょうか? その毒性で有名(?)なキョウチクトウは青酸カリウムよりも強い毒性を持っているとか。しかし、そうした花が毒を噴き出しているなんて聞いたこともありません。では何故…?

一番有力と思える説は「土壌の性質を変えて、競合植物を排除する」でしょうか。事実キョウチクトウの毒は長く土壌に残るようです。植物たちに毒物を化合する知識がある訳では当然無いでしょうけど、自然淘汰の中で、自らの生き残り戦略として毒性を身につけたのでしょうか。ちなみに、ユリの花は人間には無毒ですが猫には猛毒となり、種類によっては犬にも毒性を持つようです。また、ネギやタマネギも犬や猫に中毒を起こさせるようです。これらは彼らが選択的に犬や猫を排除しようとしたわけではなく、自分たちが進化の中で獲得した毒性のある成分が、猫や犬にとっては危険な物質であったということなのでしょう。そこに明確な関連性は考えにくいと思います。

また、説というかまさに仮説なのでしょうが、面白い考え方があるようです。出典は、何かの本で読んだのかWEBで見かけたのかだと思いますけど、確か、このような事です(曖昧ですみません)。自然の「食物連鎖(しょくもつれんさ: food chain)」はよく知られていますが、例えば、ある特定の生物だけが増殖して、自然のバランスが崩れると、結果的には全ての生物が危機に晒されてしまいます。例えば、鹿を襲う豹を毛皮目的で狩り過ぎると、鹿が増え、その餌である植物が食べ尽くされ、結局は鹿も滅んでしまうことになります。これは人が介在する例ですが、それが何かの自然現象で起こった時、同様に食物連鎖のバランスが崩れたとします。それを調整するために、特定の動物に毒となる植物が存在し、その数を調整して食物連鎖のバランスを保つ、という考えです。

私は学者ではありませんので確かなことは分かりませんけど、面白い考え方だとは思いました。花が美しいのも、その種が繁栄するための戦略です。植物が多種多様であるのも、それぞれにその戦略が異なるからでしょう。昆虫が花の色に惹かれて寄っていくのは「受粉」という役割を花から与えられたからです。植物が棲み分けているとすれば、そこに集まる虫たちも、自然の形態も異なる筈です。意思とも思えるほどの絶妙なバランスがそこにはあります。それが自然の淘汰である訳ですから、当然、人間もその中に組み込まれている訳です。

そこで、最も不思議なのは、人が花を美しいと愛でるのは、自然の中でどのような役割を担っている故の事なのでしょうか? 人は、毒を持つ花でさえ美しいと眺めます。素人の推量ですが、人がもし花を美しいと感じなければ、花たちはどうなったでしょうか? 焼き払われたでしょうか。そうすれば、自然のバランスが崩れて、全ての生き物が危機に晒されることに…。そうならないために、花は「美しく咲き」、人はそれを「愛でる」のでしょうか。

理屈っぽくなりましたのでこの辺りにします。元は「花の毒」への素朴な疑問からでしたけど、不思議は不思議で納めておけばいいのでしょうね。

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