花を飾る 日常をホンノリと彩る…

花のお話 その69「藤の紫 自然が生み出す色彩 どう表現すれば…」



花のお話 今朝の朝刊(令和元年五月三日朝日新聞)の一面に載せられていた画像に思わず目が留まりました。それは、栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」で満開を迎えた、樹齢150年を超える「大藤」がライトアップされた画像です。開いたその花房はおよそ16万とか…。写真ですから、その色は本物と同じとはいかないでしょうけど、その紫色の空間は異次元とでも言いたくなるような雰囲気でしょう。

今の季節、それほどの「大藤」ではなくても、買い物のついでに散歩をすれば、あちこちで藤の花を目にします。生垣に紛れて控えめに咲いている藤もあれば、手をかけて庭に藤棚を作り、毎年、見事な藤を披露してくれるお宅もあります。公園に作られた藤棚も見事。車で出かければ山の斜面に滝のように咲き乱れる自然の藤も溜息ものです。そんな藤の紫ですが、この自然が生み出した色、人が創ることはできるのだろうかと思ってしまいます。もちろん、自然の色は全てがそうなのでしょうけど、特にこの藤の色にはそんな思いを強く持ってしまいます。

その色を目にした時、素直に心情を言葉にすれば、やはり「うっとり」でしょうか。新聞記事のタイトルも「紫 うっとり」でした。この辺りの気持ちは徒に捻ることなく、自然に湧いて出てくるものなのでしょう。近くの公園にある藤棚の前のベンチに座り、しばらくその紫を堪能します。時間によっては誰もいない、なんとも贅沢なひと時です。

藤の花については、本編の「花のお話 その45」に「美女もなびく藤の花 風になびくは藤波」というタイトルで、古事記の中にあるお話を書きましたが、興味がおありの方は是非。その中に書いたのですが、藤は日本の固有種で、万葉集で歌われている藤は右巻きの「ノダフジ」で、左巻きは「ヤマフジ」だそうです。ちなみに、万葉集は個人的に好きですが、元号の「令和」の出典であるという事で話題になって少しうれしいような…。あの時代に、まだ独自の日本の文字はなく、漢字を借りて(万葉仮名)歌っているとはいえ、あれほど様々に多くの人がその心情を歌にしているのは、今にも通じるこの国の情緒性ではないかと思います。

余談ですが、「令和」を万葉集の大伴旅人(おおとものたびと)の歌が元であるということに、それは中国で万葉集よりも以前に読まれた「帰田賦(きでんのふ)」に同じような歌が詠まれているから出典は中国の古典、とかいった意見があるようですけど、元々漢字自体、「元号」という文化自体が中国のものである訳ですから、その辺りは議論にもならない事ではないかと思います。出典が万葉集という事であれば、ひと時、そこに想いを馳せるということでよろしいのでは。

余談ついでに、最近は庭をコンクリートで固めて、庭木の無い家が多いように思います。まあ、草むしりなどの手間がかからないからという事でしょうか。私個人は、「令和」といっても「昭和」の景色の中で育ちましたから、庭の植物が四季を知らせてくれる楽しさが無くなるというのは、ちょっと寂しいというか艶が無いというか…。まあ、時代への感傷でしょうから、あまり意味はありませんけど、うちの狭い庭には今の季節、ツツジの花が、いつもにも増してたくさんの花をつけ、見送ってくれ、迎えてくれます。

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