花を飾る 日常をホンノリと彩る…

花の詩紹介 花の詩1


※花の名前の()内は一般的な和名です。
  ヒマワリ (ヒマワリ:向日葵)
  ●分類:キク目キク科キク亜科ヒマワリ属
  ●
花期(路地・鉢物):7月~9月

ヒマワリ イラスト「向日葵に 剣の如き レールかな」
 松本たかし
「向日葵に 天よりも地の 夕焼け来る」
 山口誓子
「向日葵の 蘂(しべ)を見る時 海消えし」
 芝不器男
「高原の 向日葵の影 われらの影」
 西東三鬼
「海の音に ひまはり黒き 瞳をひらく」
 木下夕爾

 ヒマワリほど存在感のある花は無いのでは。太陽の光を従えて天を仰ぐように咲いているその姿は、まさに「生きている」という力強さを感じさせてくれます。二番目と五番目の詩が良いですね。詩は作者の人が感じたものを言葉に「置換」して、その光景を様々に切り取ってくれるのですが、その「意表を突くようなインパクトのある言葉」が読む者を楽しませてくれます。

  ガーベラ (オオセンボンヤリ:大千本槍)
  
分類:キク目キク科ガーベラ属
  
花期(路地・鉢物):3月~5月 9月~11月
ガーベラ イラスト
「ガーベラの 炎のごとし 海を見たし」
 加藤楸邨
「ガーベラや 鴎外漁史に 恋ひとつ」
 矢島渚男

「花活けの ガーベラの茎 のびいたり 家族が既に眠り入る夜半」
 鳥海昭子


 三番目の詩が好きです。ガーベラの艶やかさが「夜半」と対照的で、それ故、静かな中にも一層、ガーベラの花が生命力をもって「光り輝くように」鮮やかに咲いているイメージが浮かび上がってきます。二番目の詩にある「鴎外漁史」とは森鴎外の事で、「漁史」とは文人の雅号の下に付けて用いる言葉のようですが、それを見た森鴎外(森林太郎)が「鴎外漁史とは誰ぞ」と書いているのがちょっと可笑しいですね。「恋ひとつ」とは「舞姫」のエリスの事でしょうか。

   カーネション (カーネーション:阿蘭陀石竹)
  分類:ナデシコ目ナデシコ科ナデシコ属
  花期(路地・鉢物):4月~6月 9月~10月

カーネーション イラスト「灯を寄せし カーネーションの ピンクかな」
 中村汀女
「花売女 カーネーションを 抱き歌ふ」
 山口青邨
「よき母と いへず子よりの カーネーション」
 佐野多鶴子
「カーネーション 仏に供へ 結婚す」
 牧野春駒
「カーネーションのフリル 少女期早く過ぎ」
 嶋田麻紀

 二番目の詩はそのままの情景を詠った詩ですけど、この詩に何となく「哀しげ」な想いを持ってしまうのは私だけでしょうか。三番目の詩ですけど、これはハッと複雑な思いにさせてくれる詩です。とはいえ、シンプルに読めば思わず「苦笑い」してしまうような軽いユーモアと「気恥ずかしさ」のようなものを感じさせてくれます。四番目の詩は、カーネーションに何某かの背景、思いを感じてしまいます。

   キンギョソウ (キンギョソウ:金魚草)
  分類:シソ目オオバコ科キンギョソウ属
  花期(路地・鉢物):秋撒き 3月~6月 春撒き 9月~10月
キンギョソウ イラスト
「金魚草 十本ばかり かつぎたる あなたの首の 美しかりき」
 鳥海昭子
「金魚草 よその子すぐに 育ちけり」
 成瀬桜桃子
「いろいろな 色に雨ふる 金魚草」
 高田風人子
「赤ん坊の あくびが飛んで 金魚草」
 小枝恵美子
「金魚草 風に溺るる ことのあり」
 行方克巳
「金魚草 こんな色にも 出合いたる」
 嶋田一歩


 一番目の詩はキンギョソウの「淡い光」を放つような美しさを、「十本ばかりかつぎたる」という何となくユーモラスで無造作な、生活の中の1シーンで「見つけた」詩だと思います。三番目の詩は、シンプルでストレートに楽しませてくれますね。文句なく目の前にそのままのイメージが湧いてきます。まさにキンギョソウにしか創れない「淡い」透明感のある景色が。

  ストック (アラセイトウ:紫羅欄花)
  
分類:アブラナ目アブラナ科アラセイトウ属
  花期(路地・鉢物):11月~5月

ストック イラスト「悲しみを 乗り越えし人の玄関に ストック甘く匂いていたり」
 鳥海昭子

「磯波のややきらめきぬ あらせいとう」
 大西桑風
「あらせいとう 積みて海女小屋 廃れをり」
 田中敦子
「畦を来る ストック抱ける だけ抱いて」
 青柳志解樹


 一番目の詩ですが、花とはそういうものであると思います。人の心を和らげてくれる「不思議」としか言えない自然の存在です。人の気持ちを「前向き」にもしてくれます。特にストックは、人によっては「匂いがきつすぎる」と感じる人もいるようですが、その香りは不思議と「力強さ」を感じさせてくれます。

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